淡路島・津井 めくるめく瓦の町ツアー・4
めくるめく津井ツアー、最後の工場は”デザイン”を切り口に挑戦を続けていらっしゃる、大栄窯業さん。
さて。この”デザイン”という言葉、私のようなシロウトが使うべきではないのでしょうけれど、稚拙ながら考察します。
デザインて、「面白さの発見」でもあると思うんですよね。
瓦の場合、日本の原風景に含まれる素材であるわけです。屋根なのでかなり面積が大きいし、あの灰青というか”いぶし銀”の色合いやマットな素材感、重みが想像できる存在感は、日本に住んできた人々の脳にほとんど無意識に入り込んでいる。(最近の屋根はバリエーションが豊富なので、若者の脳には入り込んでいないのかもしれませんが)
だから、いわゆる瓦そのものを見ても新しい感動ってあんまりないのですが、その素材感や存在感そのままに、目の前にあったり(屋根という遠いところにあるものという先入観を裏切る驚き)、見知っている形ではなかったり、すごく小さかったりすると、びっくりするわけです。そして元々瓦素材が持つ美しさを再発見する。
それが面白いんじゃないかなと思いました。
そういう面白さを、どの辺の角度でどう挿していくかっていうのは、きっとセンスなんでしょうね。意外すぎても、狙いすぎても、バタくさい感じになりかねない。
個人的には、瓦業界にとっては普通の飾り瓦を(特に鳩)ちっちゃくしたオブジェとかあったら面白そうなんですが、そのセンスはどうでしょうか・・・
私のシロウト談義はさておき、大栄窯業さんの意欲的作品群をご紹介します。
まずは、鬼瓦パター。
これは、プロのゴルファーの方のアドバイスもいただきながら、本気で作ったそうです。
愛情を持って「バカだなー!」と爆笑させていただきます! これを本気でやれる人は、こっち側の人確定です笑
淡路島って、箸置きにぴったりの形状。神様の采配素晴らしい。
ギャラリーでは1枚から購入可能。
色の出方が1枚1枚異なるので、選べる楽しさがあります。
ちなみに丸い緑のも瓦製。こういうただ単にカワイイってのもいい。
◇見学させていただいた大栄窯業株式会社さんのHPはこちら。http://www.daieibrand.com
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さて、マーキーさんのアテンドをいただき、怒涛に見学した淡路島の瓦の町・津井。町中のみんなが瓦に関係していること、町全体の工場で協力しあってやっと瓦ワンセットができあがるとが、とても印象に残りました。
しかし近年では瓦の需要が落ち、関係する人の割合は少なくなったり、各工場もフル稼働とはいかないとの苦境も伺いました。しかし、まさに土着の、ここでしかできない産業ってのは、これから面白い!(と無責任に思っております!)
業界全体が苦しい時・・・というのは、業界全体で協力体制に持っていけるいい機会。
畑違いではありますが私の体験では、「アーチェリー」というマイナースポーツを愛する人は、競技の上ではライバルであってもアーチェリー自体を盛り上げることに関しては完全に仲間!!という実感がすごくあります。一丸となれる仲間です。
どの工場の方も、その方らしく瓦と向き合ってらした様子は、とても素敵だなと思いました。
楽しい時間をありがとうございました!