淡路島・津井 めくるめく瓦の町ツアー・1
さて、先日、淡路島は津井(つい)地区を訪問しました。
約1年ぶり、2度目の訪問です。
津井の町とは瓦の町、日本三大瓦産地の一つです。
その歴史は江戸初期、貧しかった津井の土地にお寺が引っ越して来ます。当時のお寺は、文化や技術
の最先端の場所。・・・という表現を何度か聞いていながらあまり想像がついていなかったのですが、やっとピンと来ました。
お寺を建てるには、建築技術がいる→建築技術を持った人も一緒に来る→建てることは、建築資材の調達も含む→技術者が津井の土は瓦に適していることを発見する→瓦焼こう→いい瓦ができる→瓦を特産品にしよう=技術が伝わる。
当時貧しかったこともあり瓦作りは定着、淡路島は大阪・京都に近く、名だたる寺社仏閣に瓦を納め、三大産地として定着します。
焼き上げる最後に松葉を使った還元を行う技術を確立し、”いぶし銀”の美しい瓦を生み出します(工業化した窯では”生ガス”で還元)。
津井の町の何に惹かれたかというと、(現在は割合は減ったものの)町中が瓦屋さんでみんなが瓦に関わっている町、ヨソ者の発想では「同業者間の競争が激しいのでは」と思いましたが、違いました。
瓦とは、非常に多種なパーツから成る製品。町中の瓦屋さんが力を合わせて、そうして「瓦屋根一式」が出来上がるんだそうです!! 全員仲間!! そりゃすごい!
津井の町がどれくらい瓦の町かというと、それはもう、そこらじゅうの屋根という屋根は当然瓦葺きです。普通なら瓦葺かない小学校も瓦葺き、体育館だって瓦葺き。ごみステーションすら瓦で葺きます。当然です。しかも複数あるごみステーションでそれぞれ屋根の形を変えて、より一層多様な瓦を使用。
ごみステーション。軽く人が住める感じ出てます。
さらに瓦づかいは屋根だけにとどまりません。ちょっとしたキズものや焼きに失敗した瓦たちが転がっている津井の町。畑の土留め、ちょっとした境界線のアピール、その辺の資材が飛ばないようにする重し、なんでも瓦です。
今までの人生で瓦にこんなに囲まれていたことがあっただろうか・・・
圧倒的な瓦の町の瓦分に圧倒されながら、怒涛の瓦工場見学へ突入します。
※本レポートは昨年の見学と合わせて2年分の内容をまとめてお送りします