静岡市の山林を見学しました2

さて、山主さんにうかがった山のトリビアを・・

■スギとヒノキでは、スギの方が湿った場所でも育つ
すごく基礎な知識だと思いますが、今回初めてはっきり知りました。


沢のそばにはスギが似合う。
沢には、以前「わさび」を育てていた石垣あとが。静岡らしいですね。

■シカの食害がはんぱない
シカといえばバンビ、バンビといえばかわいいというイメージを持つ方が多いと思いますが、山では食害がはんぱないそうです。

急斜面に1本1本植えたヒノキの苗も、シカにてっぺんを食べられたらダメになってしまうそうです。苗購入の費用も、植えた工賃もおじゃん。最近時々耳にするシカを狩って食べる”ジビエ”に、にわかに興味が出ました。


シカにてっぺんを食べられた幼いヒノキ。シカが背伸びしても食べられない背丈まで成長すればひとまず安心とのこと。
それには10年くらいかかる。注追記)10年ではなく5年ほどだそうです。
シカ柵。幸いシカ柵設置には全額助成金が出るとのこと。
しかし柵も万能ではなく、むしろ中にシカが入ってしまい「シカ牧場」になっていることもあるそうだ・・・悲

注追記)”全額”が制度化されている地域は少ないそうです。それぞれの地域で制度が異なりますのでご注意ください。

■伐採した後を放置すると自然林に戻るは戻るが・・・
戻るまでには、20年、30年という単位の時間がかかる。その間は、言うなれば「荒れている」状態で、保水機能などが低い。自然の世界では、「30年」はあっと言う間かもしれないが、人間にとっては都合がよくない。


山のてっぺんまで、常緑の人工林があるのを見ますが、つまりそんな場所にも斜面を登って1本1本植林した人がいたのです。
脱帽です。

■伐採したら何かしら植えることが法律で定められている。
伐ったら植える。これが日本国での正しい行為だそうです。だから上記の、伐って放置は、法治国家のもとではNG。

■自然林に戻すのにも、費用がかかる。
私は安易に「管理しきれない面積の人工林があって困っているならどんどん自然林に戻せば良い」と思っていました。
しかし戻すにはまず今の人工林を伐る必要がある、しかし伐るには費用がかかる。
切った後には広葉樹を植える、それも費用がかかる。という現実がありました。

■植えなくても生えてくるもの
これ、桐だそうです。最初は草みたいなんですね。

こちらはタケニグサ。葉っぱの形から、イチジクかカシワか
食べれるものだと想像してわくわくしましたが、食べれません。残念。
本当にそこここに、ぽこぽこ生えていました。

■スギもヒノキも紅葉する
各地のスギダラツアーをするうちに、うすうす気付いてましたが、
スギもヒノキも紅葉します!


スギもヒノキも、鮮やかな黄色〜紅色になる。


常緑樹って言ってたじゃない! ウソついてたの!?
いえ、スギやヒノキの葉は、「数年経つと紅葉し新陳代謝する」そうです! 1年サイクルでないのが落葉樹との違い。
注追記)「照葉樹」と書いていましたが「落葉樹」の間違いでした。訂正しました。

■伐った切り株はそのままにして、土地の栄養にする
確かに、わざわざ掘り返してどこかに集めても大変なばっかりで意味がないですもんね・・・
しかし、伐って数年経った切り株の寂寥感たらないです。


伐採直後の切り株。
伐って数年の切り株。荒野感はんぱない。

■伐採後、15年ほどは根の力は残る。15年後くらいが一番弱い。
木の根っこが土を保持する力(山崩れを防ぐ力)は、伐採後もまだ機能するそうです。
根っこが土に還る15年後くらいには能力がなくなり、しかし植林した若い木の根の力もそれほどではないため、土を保持する力が弱い時期が来るそうです。

数々のトリビアをや山主さんや林業女子会メンバーとの会話から自然に知ることができました。それこそ、わいわいと様々なメンバーで回る良さだなあと思います。

12月15日には、女子会の勉強会としてこちらの現場をぐるっと巡ります!
新規女子会メンバーも募集中♪
なお、女子会の勉強会ですので、女子限定です。あしからず☆